やる気に関わるホルモン、分泌に役立つ成分と人気サプリメントを解説

やる気をもたらす脳内物質

そもそも脳内における情報伝達は、脳内の神経伝達物質が仲介することによって成り立っています。

そのため私たちの脳にやる気をもたらすためには、集中力や意欲につながる神経伝達物質の分泌が必要となります。

精神を安定させ物事に向き合うことに役立つ三大神経伝達物質をご紹介します。

ドーパミン

ドーパミンは、やる気がある時や集中している時に分泌されています。

また、快感や喜びをもたらすことから、快楽ホルモンとも呼ばれます。

ただし、過剰に分泌されると夢中になりすぎている状態すなわち依存状態につながります。

ノルアドレナリン

ノルアドレナリンは、覚醒作用を持つホルモンです。

興奮や覚醒をもたらすため怒りのホルモンと呼ばれることもありますが、集中するため、適切な判断するためにも必要です。

ただし過剰に分泌されると不安感にもつながるため、あくまでも適度な分泌が望ましいです。

セロトニン

セロトニンは、精神を安定させる働きがあり、ドーパミンやノルアドレナリンの過剰な分泌を制御します。

健全な精神状態のために必要であるため、幸福ホルモンとも呼ばれます。

セロトニンが不足すると、イライラしたり、うつなど落ち込んだ精神状態になったりします。

やる気ホルモンの分泌に役立つ成分

やる気をもたらすホルモンである、ドーパミン、ノルアドレナリン、セロトニンの分泌に役立つ成分をご紹介します。

緑茶成分として有名、テアニン

テアニンは、ドーパミンを増やすことに役立ちます。

睡眠の質の向上に対する機能性表示が認められているため、テアニン配合サプリメントは睡眠やリラックスに訴求するものが多くなっていますが、やる気を高めたい方が利用しても問題ありません。

モナシュ大学の研究によると
動物を対象とした神経系の研究において、テアニンは脳内のセロトニン、ドーパミン、GABAを増加させる効果および神経保護作用が示唆された。また動物を対象として行動研究において、学習と記憶の能力が改善することが示された。これらの結果から、テアニンは、神経保護および認知機能を高める物質である可能性がある
テアニンが豊富な飲み物
緑茶

ストレスに対抗するアミノ酸、チロシン

アミノ酸であるチロシンは、ドーパミンの原料となるほか、代謝改善、自律神経を整えることにも役立ちます。

ハーバード大学医学大学院の研究によると
チロシンメチルエステルを皮下注射した後、胃、十二指腸および脳内のドーパミン濃度を測定した。その結果は、各組織のドーパミン濃度は有意に増加していた。
チロシンが豊富な食べ物
チーズ、大豆製品、バナナ、アボカド

ドーパミンの前駆体、L-ドーパ

ドーパミンの前駆体、すなわちドーパミンの前段階の成分がL-ドーパです。

エルドパ、レボドパなどとも呼ばれ、パーキンソン病の治療薬として有名な成分です。

ウィーン大学の研究によると
パーキンソン病の治療薬として用いられるL-ドーパ関連の研究とその発展について追跡を行った。1913年にマメ科植物から分離できたL-ドーパは、1938年に動物やヒトの大寧においてドーパミンに変換されることが実証された。その後1960年には、パーキンソン病の脳内における重度のドーパミン欠損が確認され、その1年後にパーキンソン病患者に対する強力な治療効果が実証された。
L-ドーパが豊富な食べ物
そら豆、ムクナ豆

普段の食事から摂取しやすい、トリプトファン

トリプトファンは、セロトニンの合成に使用されるほか、タンパク質の原料および身体活動のエネルギー源となります。

身体では作ることができない必須アミノ酸であるため、継続的に食品から摂取する必要があります。

バイーア連邦大学の研究によると
異なる量のトリプトファンが、脳内のセロトニンレベルに及ぼす影響を検討するため、25の研究を検討した。成体となった動物に対して、トリプトファンを経口投与、腹腔内投与、皮下投与によって投与した。計測した脳の部位や投与期間により、それぞれ異なる強度で脳内のセロトニンレベルは上昇していた
トリプトファンが豊富な食べ物
乳製品、大豆製品、魚類、ナッツ類、卵、バナナ

神経伝達物質の合成を助ける、ビタミンB6

神経伝達物質の原料になるわけではありませんが、それらの合成に関わっており、精神のバランスを保つために必要な成分です

そのほかタンパク質の原料、血液中における代謝の促進といった役割があります。

浜松医科大学の研究によると
ビタミンB6は、GABA、セロトニン、ドーパミン、ノルアドレナリン、ヒスタミン、グリシンを含む多くの神経伝達物質の合成に重要であり、ビタミンB6を補給することによって多くの神経伝達物質を増強する可能性が示されている。
ビタミンB6が豊富な食べ物
カツオやマグロなどの魚類、肉類、玄米、バナナ、パプリカ

セロトニンの生成に必要、マグネシウム

多くの神経伝達物質、特にセロトニンの生成時に必要な成分です。

そのほか、骨や歯の生成、酵素の働きの補助といった役割があり、日本人が不足しがちです。

ニューヨーク・へデック・センターの研究によると
マグネシウムの欠乏は、セロトニン受容体機能に影響を与え、様々な神経伝達物質の合成と放出に影響を与える可能性がある。経口投与を目的としたマグネシウムは入手しやすい、極めて安全性が高い、非常に安価という特徴がありあり、マグネシウム欠乏症の患者には非常に効果的である。
マグネシウムが豊富な食べ物
大豆製品、玄米、全粒粉、魚介類

テアニンサプリメントのおよその原価率

ここでやる気ホルモンを分泌する成分の一例としてテアニンを配合したサプリメントのおよその原価率を計算してみます。

1日2粒で400mgのテアニンが摂取できるアルミパウチ入りの商品(1ヶ月分の販売価格1,500円)があるとします。

テアニンの原料1kgが1,000円であると仮定すると、それぞれ30日分が12,000mgで12円、タブレットの原料が1粒1円が60粒で60円、アルミパウチ10円、そのほか乾燥剤や充填費で20円となり、原価は合計102円となります。

販売価格1,500円とすると、原価率は6.8%となります。

国内においてはテアニンだけではなく、他の成分も配合したサプリメント多いため、一般的な原価は上記の金額よりも高くなっていると予想されます。

やる気ホルモンを分泌したい方向け人気サプリメント

本記事で紹介した成分を配合しており、サプリメント市場において人気の商品をご紹介します。

DHC リラックスの素

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バランスボディ研究所 国産L-チロシンEX

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リプサ ムクナ

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Kaimin トリプトリズム

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大塚製薬 ネイチャーメイド B-6

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Now Foods マグネシウムキレート

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やる気ホルモンの分泌や関連サプリメントについていただいた質問

サプリポートでは、健康関連のお悩みやサプリメントに関する質問を承っております。こちらではやる気に関わるホルモンとその分泌に関わる成分、サプリメントについていただいた質問とその回答をご紹介します。

やる気を出すホルモンについて分かっても、摂取すべき成分が多くてどの成分を摂取すべきか分かりません。
(40代女性トミスエさん)

どういった理由でやる気が出ないのか考えてみるとよいでしょう。例えば、暗い気持ちになってやる気が出ないのであれば、セロトニンの分泌が足りない可能性があるため、セロトニンの合成に必要なトリプトファンの摂取を意識してみましょう。
株式会社サプリポート 天野

男性ホルモンのテストステロンもやる気につながると聞いたことがありますが、どうでしょうか。
(30代男性Takashiさん)

テストステロンも前向きな気持ちや安定した精神状態を保つことに役立ちます。本記事では、三大神経伝達物質と呼ばれやる気が直結するホルモンとその分泌に必要な成分を優先してご紹介しています。
株式会社サプリポート 藤村

うつ病持ちの場合も、神経伝達物質を増やすためにサプリメントを利用することは有効でしょうか。
(20代女性fouさん)

うつ病患者に対しては、SSRIやSNRIといったセロトニンやノルアドレナリンの再取り込みを阻害する抗うつ薬が使用されます。うつ病患者の方も本記事で紹介した成分を摂取すれば、神経伝達物質の分泌につながる可能性もありますが、主治医の方と相談して取り入れるようにしてください。
株式会社サプリポート 富山

やる気や集中力、それに伴うサプリメントの利用ついてのアンケート結果

2020年11月、サプリポートはやる気や集中力、それに伴うサプリメントの利用に関するアンケートを実施しました。

アンケート回答者は、サプリポートの公式LINEを友だち追加していただいている方、インターネット調査サービスの利用者となります。

【調査概要】

  • 調査時期:2020年11月
  • 調査方法:インターネット調査サービスの活用
  • 調査地域:全国
  • 本アンケート対象者:全国の男女268人

【やる気や集中力とサプリメントに関するアンケート 質問項目】

  • あなたの性別を教えて下さい
  • あなたの年齢を教えて下さい
  • 仕事や勉強においてやる気になるタイミングはあるか教えてください
  • 仕事や勉強においてやる気をより高める必要があると感じているか教えてください
  • やる気を出したい時に飲料や食品を利用するか教えてください
  • やる気を出したい時に利用する飲料や食品の種類を教えてください

やる気アンケート1

やる気アンケート2

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  • 男性:128名(47.8%)、女性:140名(52.2%)
  • 20代以下:68名(25.4%)、30代:78名(29.1%)、40代:63名(23.5%)、50代以上:59名(22.0%)

3人に1人以上は日常でやる気になるタイミングがない?

やる気アンケート3

仕事や勉強において、やる気になるタイミングをうかがったところ「あまりない」「ほぼない」と回答した方は、40.7%となりました。

やる気不足に危機感を感じている方は多い?

やる気アンケート4

「今よりやる気を高める必要がある」と回答した方は65.7%に達しました。

前述の回答を踏まえると、やる気になるタイミングが少ない方だけではく、日常的にやる気になるタイミングを増やす必要性を感じていることが分かります。

やる気を出す時には、飲料や食品を利用する方が多数派!

やる気アンケート5

やる気を出したい時に飲料や食品を利用する方の割合は、55.6%となり過半数を超えました。

149名の方には、利用している飲料や食品の種類についても回答していただきました。

やる気アンケート6

やる気を出したい時に利用する飲料や食品としては、カフェインや糖分を含むものが多く挙がりました。

ドーパミン、ノルアドレナリン、セロトニンといったやる気を生み出すホルモンの生成に直接役立つ成分を利用する方は少ないようです。

やる気にアプローチするサプリメントを販売する場合は、消費者に成分の特性や効果を伝える必要があるでしょう。

研究結果などの参考文献

  1. モナシュ大学の研究
  2. ハーバード大学医学大学院の研究
  3. ウィーン大学の研究
  4. バイーア連邦大学の研究
  5. 浜松医科大学の研究
  6. ニューヨーク・へデック・センターの研究