エネルギー産生、抗酸化に役立つコエンザイムQ10
コエンザイムQ10は、ヒトの身体にも含まれている脂質性の物質です。
「コエンザイム」は他の栄養素の働きを助ける補酵素であること、「Q10」はその構造を意味しています。
エネルギー産生を助ける働きや、老化の原因である酸化を防ぐ働き、すなわち抗酸化作用がある成分です。
これら2つの働きに関しては機能性表示も許可されています。
その他、心臓などの臓器の働きを助ける効果についても研究が進んでいます。
日本におけるコエンザイムQ10の市場
2000年代前半に、コエンザイムQ10の免疫力やアンチエイジングに対する効果が注目され、消費が急増しました。
2004〜2005年がピークであったとされ、原料の年間流通量は50トンにも達したとされています。
2010年代に入ってからは需要が落ち着き、コエンザイムQ10の原料市場は20トン前後の流通量で安定的に推移しています。
2015年にはコエンザイムQ10を使用した食品に対して、抗酸化作用やエネルギー産生に関する機能性表示が可能となり、各メーカーの新商品開発が進みました。
末端市場においても、継続的な需要があることがうかがえます。
なお、原料メーカーのトップシェアはカネカです。
還元型コエンザイムQ10の量産に成功したメーカーとして、原料市場と末端市場の双方において高いシェアを誇っています。
世界におけるコエンザイムQ10の市場動向、市場規模
日本においては成長が落ち着いているコエンザイムQ10市場ですが、世界では成長基調が続いています。
2015年の市場規模は4億240万ドル(約433億円)を記録しました。
2016年から2024年までに年平均成長率13.8%の市場拡大が継続するとされています。
心疾患、がん、認知疾患などに対するエビデンスが充実してきたことが主な要因です。健康食品だけではなく、医薬品や化粧品などそれぞれの用途で需要があります。
世界でシェアが大きいコエンザイムQ10の原料メーカーは、イタリアのグノーシス、オランダのDSMニュートリショナル・プロダクツ、日本のカネカ、協和発酵バイオとなっています。
コエンザイムQ10の原料価格
コエンザイムQ10には、還元型と酸化型の2種類が存在します。
還元型は、体内で変換される必要がなくそのまま取り込める利点があります。
近年は、酸化型を生産するメーカーも吸収率を高めるなどの工夫をして、対抗しています。
国内産の場合、還元型で1kgあたり約18万円、酸化型で1kgあたり約13万円、中国産で1kgあたり約8万円ほどとなっています。
コエンザイムQ10サプリメントの販売価格とおよその原価率
研究結果をもとに、コエンザイムQ10を1日あたり100mg前後配合するメーカーが多くなっています。
価格のボリュームゾーンは2,000円台となっており、原価率の目安は15%です。
ここで、1日2粒で100mgの酸化型コエンザイムQ10を摂取できるアルミパウチ梱包のソフトカプセルタイプのサプリメント(1ヵ月分)があるとして、原価を計算してみます。
酸化型コエンザイムQ10(1kgあたり8万円)の原料は、1日100mgが30日分で240円、ソフトカプセル1粒1.5円が60粒90円、アルミパウチは10円で、そのほか乾燥剤そのほか充填費等で20円前後となり、原価は合計360円前後となります。
販売価格2,500円とすれば原価率は約14%となります。
もちろん還元型の場合や酸化型に加工を加えた場合は、これを上回ることもあります。
こちらは、サプリメントのOEMサービスを提供する弊社株式会社サプリポート独自の原価計算です。
弊社クライアントでサプリメントを製造、販売するメーカー様もこれに類似した原価率、販売価格となっております。
酸化型、還元型に限らず、コエンザイムQ10サプリメントの販売を検討されているメーカー様は下記のお問い合わせフォームまでご連絡ください。
コエンザイムQ10の効果、エビデンス
コエンザイムQ10に期待されている効果は多岐にわたります。
日本においては、エネルギー産生や疲労回復、抗酸化作用などのエビデンスに基づき、機能性表示が可能となりました。
その他にも、心疾患、がん、認知疾患、睡眠障害などへの有効性について研究が進んでいます。
コエンザイムQ10の目安摂取量
有効性が示された多くの研究で、1日あたり100mgのコエンザイムQ10が使用されています。
そのため、大手メーカーのコエンザイムQ10サプリメントは同等の量を配合していることが一般的です。
なお、コエンザイムQ10は脂溶性のため、脂質を含む食事と併せて摂取することが望ましいでしょう。
コエンザイムQ10の副作用
コエンザイムQ10による重篤な副作用は報告されていません。
ただし厚生労働省は、コエンザイムQ10を配合した食品の摂取による腹痛や下痢といった症状が報告されたことを発表しています。
これを受け厚生労働省は1日あたりのコエンザイムQ10の上限量を300mgとするべき、としています。
コエンザイムQ10サプリメント市場において人気がある商品
コエンザイムQ10サプリメント市場において人気がある商品をご紹介します。
DHC コエンザイムQ10 包接体
大塚製薬 ネイチャーメイド コエンザイムQ10
ユニマットリケン 還元型コエンザイムQ10
カネカ 還元型コエンザイムQ10
Doctor’s Best High Absorption CoQ10 with BioPerine
コエンザイムQ10についていただいた質問
株式会社サプリポートが運営しているサプリメントの情報サイト「サプリポート」では、随時ユーザーからの質問を募集しています。
これまでにいただいたコエンザイムQ10に関する質問とその回答をご紹介します。
コエンザイムQ10は効果がないといった記事を見たのですが本当でしょうか?
(40代男性)
コエンザイムQ10に関する研究は進んでいるものの、十分な効果がないのではないか、という意見もあります。疾病に対する効果に関しては、まだまだエビデンスが少ないことも事実です。ただし、多くの国で医薬品やサプリメントに用いられていることを踏まえると、期待が大きい成分であることは間違いありません
(株式会社サプリポート 岩垣)
コエンザイムQ10はアンチエイジングにも役立ちますか?
(40代女性)
そもそも老化とは、細胞が酸化することにより起こります。例えば、皮膚が酸化して老化が進むと、外見が変化していきます。コエンザイムQ10は抗酸化作用があり細胞の活性化を促すので、この点においてアンチエイジングに役立つ可能性があるといえるでしょう
(株式会社サプリポート 藤村)
コエンザイムQ10がミトコンドリアに関係している、とはどのような意味ですか?
(60代男性)
食品から栄養素を摂取すると、ミトコンドリアでエネルギーが産出されます。コエンザイムQ10はミトコンドリアの働きを助ける、という点で関係があるといえるでしょう。逆にコエンザイムQ10が足りていないとミトコンドリアで十分にエネルギーが産出されないので、疲労を感じやすくなります
(株式会社サプリポート 富山)
コエンザイムQ10についてのアンケート結果
株式会社サプリポートはコエンザイムQ10サプリメントの利用者にアンケートを実施いたしました。
実施時期は2020年6月で、アンケートの対象者はサプリポートのLINE公式アカウントの友だちの方々およびインターネット調査サービス利用者です。
特にサプリポートのLINE公式アカウントの友だちの方々は、サプリメントに詳しい消費者であることが特徴です。
コエンザイムQ10サプリメントの利用実態を明らかにすることを目的として実施いたしました。
【調査概要】
- 調査時期:2020年6月
- 調査方法:LINE公式アカウント、インターネット調査サービスの活用
- 調査地域:全国
- 本アンケート対象者:コエンザイムQ10サプリメントの利用者
【コエンザイムQ10サプリメントに関するアンケート 質問項目】
- あなたの性別を教えてください
- あなたの年齢を教えてください
- コエンザイムQ10を摂取するようになったきっかけを教えてください
- コエンザイムQ10サプリメントを利用している目的を教えてください
- コエンザイムQ10サプリメントを選ぶポイントを教えてください
- 利用しているコエンザイムQ10サプリメントの1ヶ月あたりの価格を教えてください
- コエンザイムQ10サプリメントの効果を実感しているか教えてください
アンケート全体回答者属性(有効回答数:209)
- 男性:90名(43.1%)、女性:119名(56.9%)
- 20代以下:18名(8.6%)、30代:48名(23.0%)、40代:62名(29.7%)、50代以上:67名(32.1%)
コエンザイムQ10を摂取するようになったきっかけ
大手メーカーのコエンザイムQ10サプリメントの場合、店頭でも販売されていることも多いです。店頭での接触が購入のきっかけとなっている方が5割近くにのぼりました。
インターネット上では、心疾患などピンポイントの有効性をアピールした広告出稿も行われています。
また疲労回復は高齢者層の需要が大きいため、テレビや新聞などの媒体も頻繁に利用されています。
コエンザイムQ10サプリメントの利用目的
疲労やエネルギー産出に関する機能性表示が可能となっていることもあり、疲労回復を目的としている方が最多となっています。
美容や抗老化、心疾患や睡眠の改善といった目的も、それぞれ20%以上を記録しています。
コエンザイムQ10サプリメントを選ぶポイント
コエンザイムQ10の量と質に注目している方の割合が高いことが特徴でしょう。
各メーカーが還元型を使用していることや加工方法にこだわっていることをアピールすることが多いため、消費者もコエンザイムQ10の量や質に意識が向くようになっているのでしょう。
利用しているコエンザイムQ10サプリメントの価格
コエンザイムQ10サプリメントは3,000円以下の商品が大半で、実際にその価格帯の商品を利用している方が7割を超えました。
1,000円以下の商品も多く、中小メーカーがコスパの高さで勝負することは厳しい領域と言えるでしょう。
コエンザイムQ10サプリメントの効果を実感しているか
コエンザイムQ10サプリメントの効果を実感している方の割合は、6割近くにのぼりました。
ただしコエンザイムQ10に期待されている効果は多岐にわたるため、利用前に自分が期待している効果にはどの程度のエビデンスが揃っているか確認することが望ましいでしょう。
研究結果などの参考文献