近年その効果が明かされ始めたナットウキナーゼ
ナットウキナーゼとは、大豆が発酵する際に生成されるタンパク質の分解酵素です。
日本の伝統食品である納豆から発見されたナットウキナーゼですが、近年は多くの研究でその機能性が明らかにされており、国内外で注目を浴びている成分です。
ナットウキナーゼは、血管内の血栓を溶かす働きを持つと言われています。
血管の健康維持は、高血圧の抑制はもちろん様々な生活習慣病予防にも大切です。
日本の健康を支えてきた成分の一つとして、現在も研究が進められています。
日本におけるナットウキナーゼの市場
ナットウキナーゼは、1980年倉敷芸術科学大学の須見洋行により発見されました。
1990年ごろから研究が開始され、2000年代に入ってから血圧や血栓に対する効果が明らかにされ始めました。
効果が実証されてからは各メーカーも商品開発に力を入れ、2015年にはナットウキナーゼサプリメントの市場規模が約300億円と試算されました。
あらゆるサプリメントの中でも特に人気の成分であり、健康食品全体でも2%以上の割合を占めると言われます。
食品としての納豆の人気が上昇していることも、ナットウキナーゼサプリメントの市場拡大を後押ししています。
2011年に1,730億円だった納豆の市場規模は、2016年には2,184億円に到達しました。5年で約26%も市場が拡大したことになります。
世界におけるナットウキナーゼの市場動向、市場規模
食品としての納豆ならびにナットウキナーゼサプリメントの世界最大の市場は日本です。
しかし、納豆やナットウキナーゼの効果が実証されるにつれて海外での注目度も高まっています。
納豆の市場規模は、2019年から2023年の4年間で年平均成長率6.78%、約1,000億円の成長が見込まれています。
なお、世界市場のうちアジア太平洋地域が71%を占めています。
ナットウキナーゼの原料価格
ナットウキナーゼの原料価格は、1kgあたり16万円ほどとなっています。
ナットウキナーゼサプリメントにおいては、含有量以上に活性(FU)の高さが重要になります。
そのため原料メーカー各社は1gあたりの活性が高いナットウキナーゼの開発に力を入れています。
安全性や信頼性の観点から、非遺伝子組換えや国内産の大豆を原料にした培養がスタンダードになっています。
なお、ワーファリンなど医薬品の働きに影響を及ぼすビタミンKを除去したナットウキナーゼを製造するなど独自の差別化ポイントを持つメーカーもあります。
ナットウキナーゼサプリメントの販売価格とおよその原価率
サプリメントに含まれるナットウキナーゼは含有量よりも活性(FU)によって表記されることが一般的です。
1日あたり2,000FUのナットウキナーゼが摂取できて1,500〜3,000円ほどのサプリメントが多くなっています。
1日1粒で25mgで2,000FUのナットウキナーゼが摂取できる、アルミパウチ梱包のソフトカプセルタイプのサプリメント1ヵ月分があるとして、およその原価を計算してみます。
ナットウキナーゼ (1kgあたり16万円と仮定)の原料は1日25mgが30日分で120円、ソフトカプセル1粒1.5円が30粒で45円、アルミパウチは10円、そのほか充填費、乾燥剤等で20円前後となり、原価は合計195円前後となります。
販売価格2,000円とすれば原価率は約9.8%となります。
なお、血液への機能性を持つ成分としてDHAやEPAを配合するサプリメントも多く、こうした補助成分の有無によっても、原価ならびに販売価格は変動します。
こちらの数字は、サプリメントの開発支援(OEM)を行う弊社サプリポート独自の計算式です。
サプリメントのOEMを行う弊社クライアント様の実際の製造原価、販売価格を元にしています。
低い原価率で高品質なナットウキナーゼサプリメントを販売したいメーカー様は、以下フォームよりお気軽にお問い合わせください。
ナットウキナーゼの効果、エビデンス
ナットウキナーゼで最もエビデンスが多いのは、血栓を溶かす効果です。
血栓とは、血液内の血のかたまりのことです。血栓が多いと、高血圧、脳梗塞や心筋梗塞のリスクを高めます。
中高年に多いこうした症状や疾患のリスクを下げる成分として研究が進められています。
ナットウキナーゼの目安摂取量
血栓を溶かすために摂取するべきナットウキナーゼの量は、1日あたり2,000FUと言われています。
そのため、多くの商品で1日2,000FUのナットウキナーゼを配合しています。
なお食品として納豆を摂取した場合、1パックあたり1,500FUのナットウキナーゼが摂取できるとされています。
ただし納豆の場合は、商品の種類、製造からの経過した時間、胃酸の影響によって、この限りではありません。
ナットウキナーゼの副作用
ナットウキナーゼのサプリメントが販売されるようになり10年以上が経ちますが、重篤な副作用は報告されていません。
過剰摂取による危険性も確認されていないものの、目安摂取量以上に利用してより効果が得られるわけではないとされています。
ナットウキナーゼサプリメント市場において人気がある商品
ナットウキナーゼサプリメントの市場において、人気がある商品をご紹介します。
小林製薬 ナットウキナーゼ EPA DHA
ディアナチュラスタイル ナットウキナーゼ×α-リノレン酸・EPA・DHA
オリヒロ ナットウキナーゼ
DHC ナットウキナーゼ
Lake Avenue Nutrition ナットウキナーゼ
ナットウキナーゼについていただいた質問
株式会社サプリポートでは、サプリメントの情報サイトであるサプリポートの読者の方からの質問を随時受け付けております。
今までにいただいたルテインサプリメントに関する質問とその回答をご紹介します。
なぜナットウキナーゼの単位はFUなのでしょうか?
(40代女性比嘉さん)
ナットウキナーゼに認められているは、血栓を溶解する効果となります。そのために重要なのが、ナットウキナーゼが持つ酵素としての活性です。FUとは、フィブリン分解単位(Fibrin Degradation Unit)を意味し、数値が大きいほど血栓を溶解する効果があることを示しています。FUは酵素の特性を表すために適した単位として、日本栄養・健康食品協会に認定されています(株式会社サプリポート 天野)
ナットウキナーゼと乳酸菌には相乗効果があると聞いたのですが本当ですか?
(30代女性カクモトさん)
乳酸菌は、腸内フローラを整える作用があります。腸内フローラは、免疫機能を保つために正常に保つ必要があります。また、ナットウキナーゼと乳酸菌を一緒に摂取した際に、乳酸菌の増加が促される効果についても研究が進んでいます。
(株式会社サプリポート 岩垣)
酵素は熱や酸に弱いというイメージがあるのですが、ナットウキナーゼはどうでしょうか。
(30代男性ショウさん)
ナットウキナーゼは、摂氏-100〜100度の環境で生存できることが確認されています。一般的な保存方法であれば、熱に気を配る必要はないでしょう。また、ナットウキナーゼは比較的酸に強い性質を持ちます。より確実にナットウキナーゼを体内に届けるため、耐酸性のカプセルを使用しているメーカーもあります。
(株式会社サプリポート 藤村)
ナットウキナーゼについてのアンケート結果
株式会社サプリポートは独自でナットウキナーゼサプリメントについてのアンケートを行いましたので、その結果をご紹介させていただきます。
サプリポートのLINE公式アカウントの友だちとした登録していただいている方とインターネット調査サービス利用者のうち、ナットウキナーゼサプリメントを利用した経験がある方々を対象に調査いたしました。
サプリポートのLINE公式アカウントの友だちの方々は、サプリメントに比較的詳しい消費者です。
なおこのアンケートはナットウキナーゼサプリメントの利用実態を明らかにすることを目的として、2020年6月に実施いたしました。
【調査概要】
- 調査時期:2020年6月
- 調査方法:LINE公式アカウント、インターネット調査サービスの活用
- 調査地域:全国
- 本アンケート対象者:ナットウキナーゼサプリメントの利用者
【ナットウキナーゼサプリメントに関するアンケート 質問項目】
- あなたの性別を教えてください
- あなたの年齢を教えてください
- ナットウキナーゼを摂取するようになったきっかけを教えてください
- ナットウキナーゼサプリメントの利用目的を教えてください
- ナットウキナーゼサプリメントを選ぶポイントを教えてください
- 利用しているナットウキナーゼサプリメントの1ヶ月あたりの価格を教えてください
- ナットウキナーゼサプリメントの効果を実感しているか教えてください
アンケート全体回答者属性(有効回答数:260)
- 男性:127名(48.8%)、女性:133名(51.2%)
- 20代以下:49名(18.8%)、30代:74名(28.5%)、40代:76名(29.2%)、50代以上:61名(23.5%)
ナットウキナーゼを摂取するようになったきっかけ
主要なナットウキナーゼサプリメントは店舗で販売されていることが多く、「店頭で見つけた」ことが摂取するきっかけとなっている方が最多となりました。
食品としての納豆を摂り続けることが難しく、その代替手段としてを利用しはじめる方も多いのがナットウキナーゼサプリメントの特徴です。
ナットウキナーゼサプリメントの利用目的
健康のため、体に良さそうだから、など納豆の良いイメージから、ナットウキナーゼサプリメントを利用している方も少なくありません。
具体的な理由としては、エビデンスが出揃っている高血圧対策がトップとなっています。
次点で、中性脂肪対策やコレステロール対策など研究段階の効果に関する目的が並んでいます。
ナットウキナーゼサプリメントを選ぶポイント
匂いを気にする方が多く、飲みやすさが選ぶポイントの第3位になっていることが特徴です。
近年は匂いに配慮したナットウキナーゼサプリメントが増えたものの、「納豆の匂いが気になる」といった理由で消費者の評価を落としてている商品もあるため、販売メーカーは匂い対策をしっかり行う必要があるでしょう。
サプリメントでは一般的に成分量に着目する方が多いものの、ナットウキナーゼの活性を選ぶポイントに挙げた方がやや少なくなっています。
配合量を2,000FUとする商品が多く差別化が難しいこと、そもそもFUという単位の認知が十分ではないことなどが影響しているでしょう。
利用しているナットウキナーゼサプリメントの価格
市場のナットウキナーゼサプリメントは、1,000円台の商品が中心です。
店頭や大手通販サイトでの販売が多く、自社サイトでの販売が盛んではないので、高価格帯のサプリメントを販売するのがやや難しい領域といえるでしょう。
ナットウキナーゼサプリメントの効果を実感しているか
他のサプリメントと比較して、効果を実感している方の割合はやや低くなっています。
ナットウキナーゼは、血圧、中性脂肪やコレステロールな検査値へ作用するため、効果を実感しにくい成分であるといえるでしょう。
販売メーカーは、そうした成分の特徴、長期的に利用する必要性を伝えつつ販促を行う必要があるでしょう。
研究結果などの参考文献