美容成分として化粧品や健康食品に利用されるプラセンタ
プラセンタとは、哺乳類の胎盤を意味します。
化粧品や健康食品として豚や馬のプラセンタが用いられ、美容効果、皮膚炎症の抑制などが期待されています。
一部、哺乳類のプラセンタと似たような働きをする成分としてサケの卵巣幕由来のものが使用されることもあります。
プラセンタには、胎児の成長に必要なビタミンやミネラル、アミノ酸が豊富に含まれているため、栄養補給や疲労回復の目的で使用されることもあります。
なおヒト由来のプラセンタは医薬品としてのみ服用することができます。
プラセンタを使用した医薬品には、更年期障害や肝機能の改善を目的としたものがあります。
日本におけるプラセンタの市場
もともと国内では、牛由来プラセンタを使用した化粧品が市場を形成していました。
2001年ごろから発生したBSE問題により牛由来プラセンタが使用できなくなると、各メーカーは豚由来プラセンタの研究を本格化しました。安全性の確実視されると、市場は拡大基調に戻ることに成功します。
2006年ごろから登場した馬由来プラセンタのサプリメントの登場も市場拡大を後押ししました。
国内プラセンタ市場は、2012年には89億円だったものの、2017年には250億円に達しています。
2019年の市場規模は230億円と推計され、若干の減少傾向に転じました。
プラセンタ市場は成熟期にあると言えますが、美容成分の代表格としてまだまだ根強い人気があります。
1,000〜2,000円台の商品があるものの、プラセンタの配合量が豊富なサプリメントでは数万円の商品も少なくありません。
プラセンタ原料を供給する国内の代表メーカーとしては、スノーデンが挙げられます。
近年は中国人と中心とした外国人観光客のプラセンタ化粧品に対する需要が伸びており、さらなる市場の成長が期待されています。
また、産婦人科や美容外科で取り扱いがあることも特徴でしょう。
医師によって異なるものの、プラセンタ注射やプラセンタサプリメントが治療に取り入れられる場合あります。
プラセンタの原料価格
サプリメントには主に豚由来の原料と馬由来の原料が使用されます。
豚由来のプラセンタ粉末であれば1kgあたり80,000円ほど、馬由来のプラセンタは粉末であれば1kgあたり200,000円ほどとなっています。
このように豚由来のプラセンタは安価であるため需要が大きいものの、各社のブランディングにより馬由来のプラセンタへの需要も高まっています。
生産や流通の透明性にこだわれば、高価格サプリメントとして訴求することも可能です。
豚由来のプラセンタはヨーロッパ産、馬由来のプラセンタは南米産のものが主流であるものの、国内産のものも存在します。
分娩直後の胎盤を使用するケース、屠殺した家畜の胎盤を使用するケースに大別されます。近年は動物愛護運動の高まりで、前者の方法で抽出されたプラセンタが求められる傾向にあります。
プラセンタサプリメントの販売価格とおよその原価率
プラセンタサプリメントは商品ごとにプラセンタの希釈率が違うため、胎盤換算量で比較することが適切です。
多くのメーカーでは、1日あたり胎盤換算量で10,000〜15,000mgのプラセンタを使用することが多いです。
豚由来プラセンタプラセンタであれば3,000円前後の商品が一般的です。
ここで、1日3粒で30倍濃縮の豚プラセンタ375mg(胎盤換算量11,250mg)が摂取できるアルミパウチ梱包のソフトカプセルタイプのサプリメント1ヵ月分があるとして、およその原価を計算してみます。
豚プラセンタ(30倍濃縮で1kgあたり20,000円と仮定)の原料は1日375mgが30日分で225円、ソフトカプセル1粒1.5円が30粒で45円、アルミパウチは10円、そのほか充填費、乾燥剤等で20円前後となり、原価は合計300円前後となります。
販売価格3,000円とすれば原価率は、10%となります。
プラセンタは原料や製造方法によって、価格差が大きい成分です。特に馬サプリメントであればこれよりも原価は高く、販売価格も高くなることが一般的です。
こちらの数字は、サプリメントのOEMもしている株式会社サプリポートによるオリジナルの計算方法です。
弊社のクライアント様も似たような価格で製造、販売を行なっておりますので、目安としてご参考ください。
低コストでハイクオリティなプラセンタサプリメントの製造をご希望のメーカー様は、以下フォームよりお気軽にお問い合わせください。
プラセンタの効果、エビデンス
プラセンタエキスに関する研究は日本で盛んに行われています。
肌への効果のほか、免疫機能の向上、男性更年期障害に対する効果についての研究も進められています。
プラセンタの目安摂取量
プラセンタに関する目安摂取量は定められていません。
豚由来のプラセンタを使用したサプリメントの場合、日本のメーカー各社は1日あたり胎盤換算量で10,000〜15,000mgのプラセンタを配合していることが一般的です。
ただし目安摂取量が定められているわけではないので、1日あたり胎盤換算量で30,000mg使用するなど配合量をアピールする商品もあります。
プラセンタの副作用
プラセンタは、サプリメントに使用される成分の中でも研究段階にある成分です。使用する際には慎重な姿勢が求められます。
使用していて不調が現れた場合には速やかに利用を中止しましょう。
国内において、皮膚炎、発疹、むくみなどのアレルギー症状、薬剤性肝障害などの健康被害も報告されています。
プラセンタサプリメント市場において人気がある商品
プラセンタサプリメント市場において人気がある商品をご紹介します。
DHC プラセンタ
マルマン プラセンタ プレミアム
オーガランド プラセンタ
協和 fracora プラセンタつぶ
銀座ステファニー化粧品 プラセンタ100コア
プラセンタについていただいた質問
株式会社サプリポートは、サプリメントに特化した情報サイト「サプリポート」のユーザーからの質問を随時受け付けております。
ここでは、これまでにいただいたプラセンタサプリメントに関する質問とサプリポート編集部による回答をご紹介します。
プラセンタサプリメントはいつ飲むのが適切でしょうか?
(40代女性Yuriさん)
プラセンタサプリメントの場合、飲むタイミングが指定されておらず、「この時間に飲むべき」とも言うことができない成分です。夜寝る前の摂取を推奨している商品もあるので、そうした記載がある場合は商品の指示に従いましょう。特に飲むタイミングについて記載がない場合は、自分の好きな時間に飲めばよいでしょう。
(株式会社サプリポート 藤村)
プラセンタサプリメントは数が多く選び方が分かりません。
(60代女性郁江さん)
豚由来のプラセンタと馬由来のプラセンタを比較した場合、感染症や育成時に使用する薬剤の観点から、後者の方が安全性が高いと言われています。また、第三者機関の認証の有無に注目するのもよいでしょう。日本健康・栄養食品協会のJHFAマーク、豚由来のプラセンタであれば日本SPF豚協会の認証マークなどがあります。現在はトレーサビリティに力を入れている商品も増えていますので、製造過程が詳細に追える商品を選ぶとなおよいでしょう。
(株式会社サプリポート 天野)
牛由来のプラセンタを使用したサプリメントを見つけたのですが、飲んでも大丈夫でしょうか?
(40代女性Fujigakiさん)
BSE(狂牛病)の危険性を考慮して、日本においては牛由来プラセンタの製造、販売は禁止されています。
(株式会社サプリポート 富山)
プラセンタについてのアンケート結果
2020年5月、弊社株式会社サプリポートはプラセンタサプリメントの利用実態を明らかにすることを目的としてアンケートを実施しました。
アンケートの回答者は、サプリポートのLINE公式アカウントの友達に登録していただいている方々、ならびにインターネット調査サービスの利用者となります。
どちらもプラセンタサプリメントの利用者に限定して調査を行いました。
【調査概要】
- 調査時期:2020年5月
- 調査方法:LINE公式アカウント、インターネット調査サービスの活用
- 調査地域:全国
- 本アンケート対象者:プラセンタサプリメントの利用者
【プラセンタサプリメントに関するアンケート 質問項目】
- あなたの性別を教えてください
- あなたの年齢を教えてください
- プラセンタを摂取するようになったきっかけを教えてください
- プラセンタサプリメントの利用目的を教えてください
- プラセンタサプリメントを選ぶポイントを教えてください
- 利用しているプラセンタサプリメントの1ヶ月あたりの価格を教えてください
- プラセンタサプリメントの効果を実感しているか教えてください
アンケート全体回答者属性(有効回答数:233)
- 男性:129名(52.3%)、女性:117名(47.6%)
- 20代以下:40名(16.3%)、30代:53名(21.5%)、40代:65名(26.4%)、50代以上:88名(35.8%)
プラセンタを摂取するようになったきっかけ
インターネットの記事や広告がトップとなりましたが、店頭、テレビの接触もほとんど差はありません。
プラセンタサプリメントの大手メーカーは、通販サイトを利用せず、テレビショッピングや自社サイトでの販売に注力するなど独自の戦略をとる会社もあります。
高価格帯の商品を販売したい場合は、価格競争には巻き込まれず、独自の価値を伝える訴求とタッチポイントを考える必要があるでしょう。
プラセンタサプリメントの利用目的
8割近くの方が美容効果を期待しているという結果になりました。
他の効果についても研究が進んでいるものの、主要なプラセンタサプリメントがスキンケア需要を取り込むための訴求をしていることが影響しているでしょう。
プラセンタサプリメントを選ぶポイント
他のサプリメントを同様、金額を重視する方が最も多くなっていますが、特筆すべきはプラセンタの質を重視する方の割合でしょう。
プラセンタの質、プラセンタの量を選ぶポイントにしている方の割合はほぼ同じで、約5割にのぼりました。
プラセンタの質をアピールする商品が多いこと、一部のプラセンタサプリメントで健康被害が報告されたことなどが影響しているでしょう。
利用しているプラセンタサプリメントの価格
3,000円以上のプラセンタサプリメントを利用している方が8割近くにのぼりました。
一般的なサプリメントの場合、1,000〜2,000円台の商品が大半であることを考えると、プラセンタサプリメントの単価は極めて高いといえるでしょう。
プラセンタ市場においては、質にこだわりつつ、その価値をしっかりと伝えるマーケティングができれば、1ヶ月5,000円以上ないしは10,000円以上の商品をヒットさせることも十分可能です。
プラセンタサプリメントの効果を実感しているか
プラセンタサプリメントの効果を実感している方の割合は、5割を超えました。
プラセンタに関する研究はまだまだ少ないものの、利用者の多くは飲んでいる実感を得ることができているようです。
研究結果などの参考文献